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[ 359] あちらを立てればこちらが立たず……地球環境のバランス調整の難しさを知るゲームたち:Garbagenews.com
[引用サイト]  http://www.gamenews.ne.jp/archives/2007/05/post_2288.html

マヨネーズやジュースをはじめとした食料品の値上げのニュースが相次いでいるが、そのほぼすべてに「バイオエタノール」が絡んでいる。直接マヨネーズやジュースでバイオエタノールを作るわけではないのになぜ? と思う向きもあるが、ドミノ倒しのような連鎖反応による結果としか説明のしようがない。今回はこのような、地球環境のバランスを考える上で参考になる2本のゲームを紹介する。現在では「シリアスゲーム」と呼ばれるジャンルのものだ。
「食物連鎖」の言葉に代表されるように、地球環境は色々な要素が複雑に、そして相互に関係しあって絶妙なバランスのもと、現状を維持している。どこか一つの要素が不足したり肥大すると、必ずそれが原因で多数の方面で影響が及んでくる。
【ジュースの値上げ、非遺伝子組み換え食品の調達難〜バイオエタノールの功罪】にて図解で紹介した、バイオエタノールによる食糧問題が良い例だ。「とうもろこしを材料としたバイオエタノールが人気になる」「とうもろこしを欲しがる会社が増える」「とうもろこしの値段が上がる」「儲かるので農家はとうもろこしをたくさん作る。そのためにオレンジなど他の農作物の畑を潰す」「オレンジの生産量が減り、価格が上がる」「原材料のオレンジの価格が上がるのでジュースの価格も上がる」という具合に、「風が吹けば桶屋が儲かる」かのように、エネルギーの問題が身近なオレンジジュースの価格にも影響を及ぼすようになる。
「自分は自動車を運転しないからバイオエタノールの問題など関係ないネ」と部外者のふりをしている時はもう終わったのである。
このような地球環境におけるバランス調整の難しさを「神視点」で体験できるのが、1990年代前半に発売された『シムアース(Sim Earth)』。『シムシティ』でおなじみのmaxisから発売された、惑星創造シミュレーションゲーム。『シムシティ』同様にパソコン版だけでなく各種ゲーム機も発売されたので、ご存知の方も多いだろう。現在ではパソコン版がフリーの状態で配信されている(海外版)。
『シムアース』は、大陸移動説や動植物の進化論など最新の科学理論と、地球(惑星)そのものを一つの生命体としてとらえる理論「ガイア理論」に基づいて作れられたシミュレーションゲームで、それらの理論に基づいたゲーム性の高いシミュレーションソフトととらえることもできる。
最長の期間を扱うフルキャンペーンともなれば、プレイヤーは惑星が生まれたばかり(マグマで覆われた灼熱地獄)からゲームをスタートすることになる。バクテリアやアメーバといった微細動物を観察しながら火山活動や風の作用、惑星内部の核温度、雲の反射率や降水量など、まさに「神の視点と力」で惑星環境をコントロールし、生命を育ませていく。
段々と生き物が育ち、文明が発達してくるにつれ、その生活範囲と惑星そのものに及ぼす影響は大きくなる。石器時代における人々のど付き合いが地球環境に及ぼす影響など皆無だが、近未来の熱核戦争ともなれば土壌の汚染や大気に与える影響は計り知れない。
『シムアース』では特に、地表に知的文明が登場して以降に「バランス調整」の難しさが分かるようになる。例えばその生命体に「太陽エネルギーや風力エネルギーを多用するように」と命じれば、環境汚染は少なめに抑えることができる。しかし文明そのものの進化スピードはさほど上がらず、他の原因で天候が悪化することになれば、エネルギー危機が訪れて文明そのものが消滅してしまう可能性も生じてしまう。
では化石燃料・エネルギーに注力しろと命ずるとどうだろうか。比較的容易にエネルギーを取得できるので、文明の成長スピードは格段に上がる。しかし大気汚染の度合もグンと跳ね上がり、生命体そのものの「生き物」としての生活圏の確保も難しくなる。また、惑星そのものの資源の枯渇も生じてくる。
熱核エネルギーならば資源の消費は少なめで済むが、今度は悪知恵を働かせた生命体がやんちゃなことをしでかし、あちこちの都市で戦いを示すマークが表示されたあと、熱核反応マークがつけられることになる。そしてその地域はしばらく(といってもゲームスケールの話であり、実際には数百・数千・数万年の単位)で何も住めない危険地域になってしまう。
『シムアース』のゲーム画面。四角のマス目で区切られた惑星上にさまざまな動植物が行きかう。プレイヤーは神の立場から、環境や動植物の行動形態を調整し、惑星そのものが健全な姿で時を過ごすように努力をする。ちなみに「化石燃料・熱核燃料を最大、その他の燃料はゼロ」「知的生活な行動を多少下げる」で設定したところ、近代シナリオが始まった1990年からわずか100年で海水温度が急上昇し、ユーラシア大陸のほとんどが砂漠とジャングルで覆われてしまった……。
バイオエタノール云々という観点と比べればきわめて広範囲な視点からのものとなるが、地球の生物たちがいかに複雑なバランスの上で成り立っている、生活しているかが痛いほど分かるゲーム(というよりシミュレーター)である。
当ソフトの日本語版は記録の限りではWindows版も出ているようだが、現行OS版では皆無。スーパーファミコン版などを中古で探してくるか、あるいはWiiのバーチャルコンソールコンソール版が登場するのを待つしかなかろう。
このソフトではプレイヤーは国連の環境問題高等弁務官……つまり地球上の人類で環境に関する政務を行える一番偉い人……となり、各種の産業への課税や、そこから得られる資金を各方面への補助金として分配する。そしてその課税率と補助金率を調整し、地球の環境を少しでもよくしていくことになる。
プレイヤーができるのは基本的に各分野に対する税率の変更と補助金の設定だけ。これらを調整することで、さまざまな結果(エネルギー資源の維持や動植物の確保、洪水や飢餓、各種汚染による人の死を防ぐこと)から導き出されるポイントを増やす、というより減らさないよう頭を悩ませる。
このゲームでプレイヤーは、最初に説明した「バイオエタノールの生産でオレンジジュースが値上がりする」とは比べ物にならないほど複雑に絡み合う、地球環境の複雑な連鎖状態を知ることになる。
例えば「飢餓を減らそう」とした場合。牛肉の生産を増やせばよい、と牛肉への課税率を低くしてみると、確かに牛肉生産量は増える。しかし牛肉で得られるカロリーの10倍もの穀物が消費されるため、結局食糧全体の増産にはつながらない。では穀物の生産量も増やすべく、殺虫剤への課税を減らしてみると、今度は環境汚染の問題が発生するという具合だ。
他にも皮膚がんの影響を減らすにはオゾン層の破壊を食い止めねばならないから、それを破壊するフロンガスへの課税を強化して生産量を減らそうとすると、そのフロンガスの恩恵を受けている農作業用の工具や農薬にもマイナスとなり、結局食糧生産が減少してしまうことになる。この場合、皮膚がん関連のポイントはプラスとなるが、その分食糧生産の分野(飢餓関係)でマイナスがつくことになる。
さらに作者自身の独断と偏見で「学ぶ」だけでは公平でないとの判断から、非常に珍しい話ではあるのだが、内部パラメーターを公開し、さらにその数式を変更することまで出来るようになっている。このソフトがゲームというよりはシミュレーターに近い、一つの理由がここにある。
内部パラメーターの設定を変更することも可能。この画面では皮膚がんによる人の命の換算率を変更している。
当ソフトは各種検索エンジンで調べても、日本国内のサイトではほとんどページが出てこないほどレア……というより人気が出なかったソフトである。手元には当時レビューのために受け取ったタイトル自身と、より深い記事を書くために当時購入した解説本『バランス・オブ・ザ・プラネットとシムアース―地球環境問題に挑むコンピュータゲーム』がある。よもや十年以上経った現在、注目すべきアイテムとして取り上げるなど夢にも思わなかった。
このソフトについては日本国内で現在あらためて入手することはほぼ不可能だろう。原作者のサイトにはフリーフェアとしてマッキントッシュ版が置かれており、それを元にWindows版(やはりフリー版)が有志によって開発中。現在グラフィックなしのテキスト版が動かせるようだ(【該当ページ、無論英語】)。
これらのソフトが実際に教材のような形で使われていたかどうかを調べてみたが、事例はほとんど見つからなかった。ただ、数少ない事例はいずれも興味深く、例えば【墨田区立堅川中学校のレポート(PDF)】では『バランス・オブ・ザ・プラネット』をプレイした中学生が
このゲームをやったのは2回目で少しずつ内容が分かってきた。僕が思うには、得点の所を見ると、飢餓ポイントが一番マイナスポイントが高く、これをどうやって改善するかが問題だと思いました。今の世界も、アフリカの方などで予防注射が受けられなかったり、食物がなかったりして、どんどん死者が増加しています。これをどうやって減らすかが問題で、減らすことができれば、はじめて世界中平和になったといえるようになるのではないかと思います。
しかしながら上記レポートでも冒頭で言及されているように(「多くの市販ゲーミング教材(教材化されたシミュレーションゲーム)はマニア向けにつくられ教室での利用が難しくなっている。セコムラインズのフォレストなど例外を除くとゲーミング教材といえるものは手の届かないところへいってしまっている」)、現在の日本国内のゲーム市場では、このような「面白真面目」なゲームはほとんど姿を消してしまっている。
幸いにも最近ではDSなどで『脳トレ』をはじめとした「楽しく学ぶゲーム」への感心が高まりつつある。今回取り上げた2作品のような「シリアスゲーム」は、爆発的ヒットは望めないが、上手なつくりをすれば普通のゲームとしてだけでなく、教育機関へ教材としても提供することもできるだろう。また、今後さまざまな分野でニーズが生まれてくるに違いない。
【シリアスゲームの本格的解説書「シリアスゲーム−教育・社会に役立つデジタルゲーム」2月20日に発売】
【遊びでないシミュレーション性の強いゲーム「シリアスゲーム」たちがアメリカで脚光、低予算で訓練ができると人気】
※このレポート中には他に「未来の選択」や「世界の中で」というタイトルのゲームがあるのだが、これは初耳。検索しても該当するものがなかった。もし誰かご存知の方がいたら当方までご連絡を。
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